複合系の光機能研究会 The Photofunctional Complexes Research Association Japan

第8期会長挨拶-柘植 清志(富山大院理工)

「配位化合物の光化学討論会」に参加する研究者の意見交換と研究進展を目的として本会が発足してから15年が経過しました。この間に、「光」に関わる研究はますます重要性を増し、光合成・発光ダイオード・発光センサーなど実用に向けた研究の飛躍的な進展と、それを支える光物理的測定法、解析法の深化には目覚ましいものがあります。これらの光化学研究の中でも、配位化合物・配位結合の重要性も非常に強く認識されるようになってきています。
 本会が主催している「配位化合物の光化学討論会」には、この分野を精力的に開拓してきた研究者に加え、若手研究者、他分野からの研究者も参加しています。一つの会場で三日間にわたり、口頭講演・ポスター発表を行い、全ての参加者が全ての発表を聞き議論をするというスタイルは、物質開発中心の研究者にとっては測定・理論についての深い知識を得る機会である一方、光物理の研究者にとっては新しい物質と出会う機会であり、この分野を横断的に知る重要な場を提供していると考えています。大きな学会で陥りがちな発表して終わりという形ではなく、発表する側も聞く側もこの分野に興味を持つ研究者として、実質的な討論を行える「配位化合物の光化学討論会」を会の主要な行事とすると同時に、討論会以外の場面でも会員間での情報発信、情報交換を可能にし、本分野を発展させる会としていきたいと思います。
 また、本会の特徴として若手の育成が挙げられます。毎年討論会の前後で実施されている「夏の学校」は、お二人の講師が本格的なテキストを作成し、それをもとに半日ずつ講義を行うという形で光化学の基礎を次の世代に伝え、新たな研究を支える足腰の強さを養うものです。本会の運営にも積極的に若手を登用し、若手准教授、助教メンバーによるミニシンポジウム開催やニュースレターにより、相互の情報交換を積極的に進めてもらっています。
第8期においてもこのような活動を引き続き行い本会会員から画期的な研究成果、革新的光機能材料が生まれるよう会員間の実質的な交流・議論が一層活発になるよう努めて参ります。本研究分野に関心をお持ちの研究者の方は、配位化合物の光化学討論会に参加し、多様な切り口からの議論を楽しんで頂ければと思います。また本会では関係分野の情報をメールやニュースレターの形で配信しています。研究会会員にも登録頂き、本分野の発展にご協力頂ければと思います。(平成30年4月)

第8期役員一覧(2018/04-2020/03)
会長 柘植清志(富山大)
副会長 長谷川美貴(青学大)
事務局 岩村宗高(富山大)、竹田浩之(東工大)
庶務 小林厚志(北大)、伊藤亮孝(高知工科大)
会計 中西貴之(東京理大)
会計監査 塩塚理仁(名工大)

第7期会長挨拶-長谷川 靖哉(北大院工)

金属イオンと有機分子から構成される金属錯体は、金属まわりの配位環境によって様々な物性を発現する「機能物質」と言えます。この金属錯体は化学分野における重要な研究対象であり、世界中で盛んに研究が行われています。この金属錯体は分子設計ができる点に特徴があり、その配位構造によって多彩な機能を発現します。
 近年、この金属錯体を用いた光科学技術の重要性が急速に高まっています。これは金属錯体の光物理過程解明だけでなく、人工光合成系の解明を目的とした金属錯体の光触媒機能、光エネルギー変換を行う色素増感型太陽電池、発光材料、ディスプレイ素子、光センシング材料、および光生化学機能についての研究にも展開しています。また、金属錯体を集積した組織体や固体結晶およびナノ材料のような新しい研究領域にも、大きな関心が寄せられています。  本研究会では、金属錯体を中心とした複合系の光機能を大いに探求していきたいと思います。金属錯体および複合系の構造と光機能は密接にリンクしています。学術的な立場から科学を探求し、産業界とも連携を取りながら「複合系の光機能」の研究発展に貢献したく思っております。
 本会の躍進は、学術界の発展と大きくリンクしています。皆様にとって、この研究会が熱く討論および共同研究できる場となるよう、全力を尽して取り組んでいきます。また、新しいメンバーのご参加も大いに歓迎です。第7期会長として、この伝統ある研究会を盛り上げていきたく思います。本会発展に尽力を尽したく思いますので、皆様のご支援・ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
(平成28年4月)

第6期会長挨拶-石井 和之(東大生研)

平成25年4月から“複合系の光機能研究会” 第6期会長を仰せつかりました東京大学 生産技術研究所 石井和之です。
 本研究会は、平成15年8月に設立されました。設立の趣旨は、金属錯体・超分子・有機−無機複合体などの光化学・光機能について、関連分野の研究者が議論する機会を増やすことでしたが、これは、10年を経た現代において正鵠を射たものになってきていると考えています。
 近年、合成・分離技術、測定技術、解析技術の発展により、顕著な新規分子・新規分子物性に関する知識が蓄積されてきています。分子は原子レベルで様々な性質を制御できる利点を有するため、これら新規分子・新規分子物性を積極的に機能化していくことが、次世代科学技術として大変期待されています。その中でも、金属錯体・超分子・有機−無機複合体などの複合系が示す光機能は、基礎分子科学と実用的な技術開発が融合した最先端分野です。具体的には、イリジウム錯体-強燐光を利用した有機EL、ルテニウム錯体-MLCT遷移を利用した色素増感太陽電池、レニウム錯体-CO2光還元能を利用した人工光合成などが最近注目された例として挙げられます。以上の観点から、本研究会が対象とする“複合系の光機能”分野を推進していくことは、科学技術立国を目指す日本の現在及び近未来における社会的な要請と一致していると言えるでしょう。
 そこで、@物理・化学・バイオ・材料・デバイス等の様々な分野間における情報交換、A基礎研究と応用研究間の橋渡し、B新規物質開発と光物理的設計・解析間の強い連携などを推進することにより、本分野の牽引を目指します。そのために、@本研究会が主催する「配位化合物の光化学討論会」や国内外各種シンポジウムの開催、AHPやニュースレター等による情報発信に尽力する所存です。
 今後ともご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(平成26年4月)

第5期会長挨拶-石田 斉(北里大理)

 この度、野崎浩一前会長の後を受けて、複合系の光機能研究会 会長に就任しました。 2011年3月11日の東日本大震災から1年が経過しました。この震災では多くの方が被災され、1年以上経った今でも復興の歩みは遅く、苦しんでおられる方が多数おられることと存じます。亡くなられた方々のご冥福を祈念し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。  本研究会は、金属錯体・有機金属化合物・無機-有機複合材料・超分子化合物・生体関連物質などの様々な複合系における光機能について、物質を構成している分子の電子状態など基礎的な物性の理解から、新規な光機能開発などの応用を目指す多様な専門分野の研究者の集まりであり、会員数は現在140名を越えています。  主な活動として、毎年夏に「配位化合物の光化学討論会」を主催しています。今年度の配位化合物の光化学討論会は、石井和之先生(東大生産研)のお世話により、8月6日より東京大学駒場キャンパスIIで開催します。本討論会では、対象を配位化合物(金属錯体)に限定せず、多様な複合系物質の光機能について、 その基礎から応用までを幅広く議論します。研究会では討論会に合わせて「配位光夏の学校」も開設し、若手研究者育成にも力を入れております。また、本研究会役員である喜多村 昇先生(北大)、石谷 治先生(東工大)は、この分野の国際会議International Symposium on the Photophysics and Photochemistry of Coordination Compounds (ISPPCC)にInternational Scientific Committee Memberとして参画しており、その開催を支援しています。  近年、発光デバイスにおける遷移金属錯体、希土類錯体の有用性が指摘されたことから、多くの合成化学者が、錯体光化学の分野に参入してこられました。本研究会では、複合系の光機能研究会選書『配位化合物の電子状態と光物理』 の出版などにより、新たにこの分野を学ぼうとされる方々への支援を行っています。また、IUPACにおいて金属錯体・有機金属化合物等のリン光発光スペクトルおよび発光量子収率測定のガイドラインをまとめるという国際的な活動も行っています。  3月11日の東日本大震災では、化学者も大変な衝撃を受けました。これまでの価値観をくつがえされ、自身の研究意義を見失いかねないほどのショックを受けられた方もおられると聞き及んでおります。今回の未曾有の大災害は、人類が短期的な利益ではなく、地球という限りある資源や生態系との調和の下で、有効な方策を練らなければならないことを示していると考えます。特に、エネルギー問題がクローズアップされ、 太陽エネルギー変換デバイスの開発や光物質変換のための光触媒開発に注目が集まっています。このような開発手法や設計指針を模索する上で、本研究会は、光機能性物質に関する重要な基礎研究を支える活動を行っていきたいと思っています。小さな歩みかもしれませんが、それが日本の復興の一助になればと願っています。  今後も本研究会の活動にご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
(平成24年4月)

第4期会長挨拶-野崎 浩一 (富山大理工)

発光デバイス、光エネルギー変換素子、CO2光還元触媒などに注目されている無機-有機複合材料の様々な光機能についての研究が、近年ダイナミックに展開しつつあります。私どもの研究会は、物質を構成している分子の電子状態や、光電子移動などのファンダメンタルな物性・反応性の観点から、複合物質の光機発現機構や光機能性物質の設計指針に関わる議論を展開しています。  本研究会は、広義での配位化合物の光化学現象を討論する場としての「配位化合物の光化学討論会」を開催し、研究成果を発信するとともに、討論会に合わせて「夏の学校」を開設し積極的に若手研究者育成に力を入れております。今年度の討論会・夏の学校は、私がお世話させて頂き、8月に富山で開催します。 また、国際的な活動として、昨年度石谷治先生(東工大院理工)、喜多村昇先生(北大院理)を中心に「配位化合物の光化学と光物理に関する国際シンポジウム (ISPPCC)」を約20年ぶりに日本で開催しました。今年度は加藤昌子先生(北大院理)を中心に「環太平洋国際化学会議PACIFICHEM2010」でのシンポジウム、それに先駆けて石田斉先生(北里大)を中心にコナプレシンポジウムが企画されており、世界中の研究者と光と配位化合物の未知の科学やエネルギー問題解決に向けた最先端の議論が展開されます。  これらの活動とともに、今後も複合系の光機能研究会が発展していきますよう皆様の一層のご協力をお願いします。

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連絡先

会長
富山大学 大学院理工学研究部
柘植 清志

事務局
fukugo8th-contact*
chem.titech.ac.jp
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